安芸 様 （59） ご利用日：2023/09/06(水)

私を魅了する物優し気な容姿が第一印象であた。バルセロナに面した横丁を駆け抜けるような雰囲気を持ち合わせているようだった。青いコスチュームから時折ちらっと見せられる肌の幾らかな部分は、たとえば頚の周りとか、肘とか、脛とか、踵とか言う程の、ほんのちょっとした片鱗だけではありましたが、彼女の躯体がつややかに、憎らしいくらいに美しく魅了するものでした。施術といえば淀みがなく、指にも触れえぬ人を、細く柔らかい指を、私は誰よりも欲しかった。私は待ち侘びているように、そして彼女の微匂いは確かな足音になって、この部屋の天井の緑のイルミネーションへ階段を使って登っていくようだ。私はまた明日、赦されるだろうか惹起してしまった。しかし、人は精神的な健康と幸福を人は得ようとするが、歯止めの聞かない満足に全人生を捧げる人は、幸福は得られないだろうと思う。愛する能力を身に付けることは容易ではない。何も知らない者は何も愛せない、何もできない者は何も理解できないはずだ。人間のもっとも強い欲求とは、孤立を克服し、孤独の牢獄から抜け出したいという欲求であろう。愛と渇求の記憶が残りそうだ。時には私の眉を妬きそうに迫られているという錯覚が、覗き返すしぐさやいつも試されるのが苦手なんだが、自分の意志ではなく、BGMのリズムに乗って「リラックス」し、そのリズムが外から押し付けられるのではなく、何かの規律の習練を積んで、それが自分自身の意志の表現になるのだ。一度の体験で、私の弱点を面の憎いほど知り抜いてしまった彼女の芳しい息の匂いを思い出しながらELVのボタンを押すことを少し躊躇してしまった。